〒710-0833 岡山県倉敷市西中新田621-4(倉敷駅車10分、倉敷市役所すぐ / 駐車場あり)
ケガをしてから数時間後~翌日のように、症状が遅れて出てくることもあります。ほとんどの症状は2~3カ月ほどで徐々に良くなると言われています。(数カ月~数年の間苦しめられる方もいらっしゃいます。)
交通事故(追突事故)やスポーツをしていての衝突(ボディコンタクト)で頭を打っている場合は、脳へダメージがあると危険なので、自己判断はせず、病院を受診するようにしましょう。
胸郭出口症候群は、首から出た神経(腕神経叢)や血管が筋肉、肋骨、鎖骨などによって圧迫されて起こります。腕や肩をよく使う方に多い疾患です。
胸郭出口症候群は4つに分類されます。
1.斜角筋症候群
斜角筋三角(前斜角筋と中斜角筋)という場所で神経や血管が圧迫されて起こります。腕を上げたり、首を回したり、横に倒したりする動きで症状が出ます。
2.肋鎖症候群
肋鎖間隙(鎖骨と第一肋骨)という場所で神経や血管が圧迫されて起こります。リュックサック麻痺とも呼ばれます。胸を張って肩を斜め後ろに下げる動きで症状が出ます。
3.過外転症候群
小胸筋によって神経や血管が圧迫されて起こります。腕を上げて胸を張る動きで症状が出ます。
4.頚肋症候群
頚肋と呼ばれる第7頚椎の形の先天異常によって神経や血管が圧迫されて起こります。
胸郭出口症候群は4つに分類されます。
①斜角筋症候群②肋鎖症候群③過外転症候群④頚肋症候群のうち患者さまがどれに当てはまるのかを徒手検査を行って調べます。※頚肋症候群は骨の形の異常なので整形外科をご紹介いたします。
どこで神経や血管が圧迫されているかを明確にしてから治療を行います。
1.斜角筋症候群の徒手検査
アレンテスト
モーリーテスト
アドソンテスト
2.肋鎖症候群の徒手検査
エデンテスト
アテンションテスト
3.過外転症候群の徒手検査
ライトテスト
ルーステスト
当院には、超音波治療と電気治療を同時に受けられるコンビネーション治療器というものがあります。
【症状が強いとき】
・超音波治療:非温熱作用(ミクロマッサージ作用)によって、炎症物質を抑制し痛みを減らします。
・電気治療:ハイボルテージやマイクロカレントを用いて、痛みを抑えます。
【症状が落ち着いてきたとき】
・超音波治療:温熱作用によって血流を良くし、斜角筋や小胸筋などを柔らかくします。
・電気治療:電気刺激によって筋肉を動かします。胸郭出口症候群では、筋肉の緊張が問題なので、筋緊張を緩和するために中程度の強さで電気刺激を与えます。
患者さま一人ひとりのお身体の状態に合わせて徒手療法を行います。ここで説明するものが必ずしも全員に当てはまるわけではありませんが、それぞれ例を紹介します。
1.斜角筋症候群
前斜角筋と中斜角筋の筋マッサージやストレッチをします。
悪い姿勢(頭の位置が肩よりも前に出てしまっている=前方頭位)の方は、前斜角筋や中斜角筋をほぐしても、またすぐに硬くなってしまいます。根本治療のために、頭の位置を戻す姿勢矯正もします。
2.肋鎖症候群
肋鎖症候群はなで肩の方に多いので、なで肩を緩和する治療を行います。
僧帽筋下部繊維、小胸筋、大小菱形筋などを筋マッサージやストレッチで柔らかくし、なで肩が助長されないようにします。
3.過外転症候群
小胸筋の筋マッサージやストレッチを行います。
デスクワークなど身体の前で作業することが多かったり、姿勢が悪く巻き肩になっていたりすると、小胸筋は硬く短くなってしまいます。根本治療のために巻き肩の治療や姿勢矯正を行います。
・斜角筋や小胸筋を保護するテーピングを行うこともあります。
患者さま一人ひとりのお身体の状態に合わせて運動療法を行います。ここで説明するものが必ずしも全員に当てはまるわけではありませんが、それぞれ例を紹介します。
1.斜角筋症候群
頭の位置が肩よりも前に出てしまっている(前方頭位)の方に対しては、チンイン(あごを引く)エクササイズを行います。
2.肋鎖症候群
なで肩の方は、肩を上に上げる筋肉が弱い状態です。僧帽筋上部線維を中心にエクササイズを行います。
3.過外転症候群
僧帽筋中部繊維、大小菱形筋、広背筋などのエクササイズを行います。
これらのエクササイズと合わせて、姿勢改善のストレッチを患者さまの筋力や柔軟性のレベルに合わせて紹介します。