〒710-0833 岡山県倉敷市西中新田621-4(倉敷駅車10分、倉敷市役所すぐ / 駐車場あり)
腕や肩を動かしたときに肩まわりに痛みが出ます。日常生活の様々なシーンに影響が出るため快適に生活が難しくなります。
特に、頭の後ろ側に手をやる動きや、腰に手をあてるような動きができなくなったり、痛みを伴うようになったりすることが多いです。
肩関節に関係する骨、靱帯、筋肉、腱などが加齢によってもろくなり、肩関節周囲の組織に炎症が起きることが主な原因と考えられています。
肩関節の動きをよくするための袋(肩峰下滑液包)や、関節を包む袋(関節包)がまわりの組織と癒着してしまうと、より動きが悪くなってしまいます。
四十肩、五十肩などの呼び方は正式な呼び方ではなく、複数の肩の疾患の総称です。四十肩、五十肩と呼ばれる状態がどの疾患が関係しているのかを徒手検査によって分類してそれぞれに合わせた治療が重要です。
四十肩、五十肩の多くは、肩関節インピンジメント、腋窩神経障害、腱板損傷、上腕二頭筋長頭腱炎の4つに分類されます。それぞれの疾患の検査方法について説明します。
必ずしも、以下の検査で痛みが出るからといって、疾患が確定するわけではなく、その他の検査方法や患者さまの状態などを加味して疾患を見極めます。
ホーキン・ケネディステスト
1.肩関節インピンジメント:ホーキンス・ケネディテスト
腕を90°に上げ、そこから水平屈曲させ、さらに肩関節を内旋方向に動かします。
腋窩神経の通るところ
2.腋窩神経障害
腋窩神経が締め付けられやすい場所(QLS=四辺形間隙)の圧痛を調べたり、負荷をかけたりして痛みが出るかどうかを検査します。
ぺインフルアークサイン
3.腱板損傷:ぺインフルアークサイン(有痛弧兆候)
肩を上げる時や下ろす時、およそ60°~120°の間で痛みを感じるかを検査します。若年者では、高齢になると日常生活での動作でも断裂してしまうこともあります。
ヤーガソンンテスト
4.上腕二頭筋長頭腱炎:ヤーガソンテスト
肘を90度に曲げた状態で、手首を外側に回外し、肩関節の前面に痛みが出るか調べます。
当院には、超音波治療と電気治療を同時に受けられるコンビネーション治療器というものがあります。
【症状が強いとき】
・超音波治療:非温熱作用(ミクロマッサージ作用)によって、炎症物質を抑制し痛みを減らしたり、細胞の治癒を促すことができます。
・電気治療:ハイボルテージやマイクロカレントを用いて、痛みを抑えたり、組織の修復を早めたりすることができきます。
【症状が落ち着いてきたとき】
・超音波治療:温熱作用によって血流を良くし、組織を柔らかくします。
・電気治療:電気刺激によって筋肉を動かし、筋力を強くします。
1.肩関節インピンジメント
詳しくは「肩関節インピンジメント症候群」のページへ
2.腋窩神経障害
肩から腕にかけての痛みを訴える方が多いのが腋窩神経障害です。脇の下の神経(腋窩神経)が圧迫されて起こり、後ろに手を回す動きで痛む、夜寝られない痛みなどの症状がある方に多いです。
腋窩神経障害の原因となっている筋肉は主に「大円筋」「上腕三頭筋長頭腱」「小円筋」です。これらの筋肉に対して筋マッサージやストレッチを行います。
3.腱板損傷
重いものを持った時や無理に肩を動かした際、肩のまわりにある筋肉や腱を痛める(損傷や断裂)ことがあり、腱板損傷(腱板断裂)といいます。
腱板は肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋の4つで構成されており、棘上筋の損傷が一番多いです。
微細(小さな)損傷、部分断裂の場合は整骨院にて治療可能ですが、完全断裂の場合は整形外科で手術の適応になることもあるので注意が必要です。
腱板損傷の場合は、損傷した部位が回復してきたら、筋肉が硬くなってしまわないように筋マッサージやストレッチを行います。
4.上腕二頭筋長頭腱炎
詳しくは「上腕二頭筋長頭腱炎」のページへ
・痛めた筋や関節などに負担がかからないようにテーピングで保護します。
運動療法では、肩関節インピンジメント、腋窩神経障害、腱板損傷、上腕二頭筋長頭腱炎のいずれにも共通することがあります。
①姿勢矯正のためのエクササイズ、ストレッチ
悪い姿勢が続くと、肩関節の位置も悪くなり、肩関節に負担がかかり四十肩・五十肩のリスクになります。
②早期治療・再発予防のためのストレッチ、エクササイズ
ご自宅でできるケア(ストレッチ、エクササイズ)をご紹介いたします。